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2011年11月 2日 (水)

補遺 特約付外貨定期預金(仕組預金)の話

特約付外貨定期預金は、大抵こんな感じの特約がついています。

円預金ですが、満期日の為替相場が「設定レート」以上に円高になった場合には、「設定レート」で外貨に交換されて払戻されます。

はて、実際のところ特約付外貨定期預金とは、いったいどういう取引なのでしょうか。

実はこれの実態は、いわゆるデリバティブ取引の一種で、オプション取引というものになります。オプションは大体「保険」と同じようなものと考えられます。

つまり

ある特定の期間の後で、私は銀行に対して「設定レート」で外貨と円を交換してあげますよ。もし円安なら銀行は交換しなくてもいいですけど、円高なら当初より価値の高くなった円を当初の「設定レート」で交換しますよ。ただし、「円高でも交換する保険料」として、ある決まった「金利」相当額をもらいますよ。

という話になっていたりするわけです。自動車保険なんかで「ある一定額を払えば、一定期間、対人事故は無制限で補償」と本質的には同じです。

それなら、自動車保険会社が保険をする上で考えることは何でしょうか。

それは、事故で支払われる金額と、その事故が起こる確率に対して、保険料は妥当かどうかということですね。保険料が妥当なら、事故を起こす人がいても全体として黒字になります。けっして、実際に保険を受ける人個人に対して、事故を起こすかどうかを考えているわけじゃありません。個人の未来なんて、神様じゃないとわかりませんからね。

つまり、この仕組預金で大事なことは、将来、円高になるか円安になるかではないんですね。

大事なのは、ある外貨が円高になる確率と、その値動きの大きさに対して、「金利」が妥当なのかどうかなのです。ちなみに、この「保険料(金利)」はオプションプレミアムといったりしますけれど、いったい、いくらが妥当なのかというのは、非常に難しい問題です。ブラック・ショールズ式などを使って挑んでみている人たちもいます(関連)。

どうせ、円安になればいいんだから関係ない、という人は、ゲームを始める前から負けています。それは、歪んだサイコロで丁半博打をすることと同じだからです。

自動車保険の話でも、もし契約数が少なければ、儲かるかどうかは、事故が起こるかどうかの運に左右されます。でも、十分多くの保険契約があるなら、儲けは運には左右されず(事故はだんだん一定の割合になりますから)、保険料によって決まることになります。これが、サイコロの歪みの効果です。

そして、仕組預金の預け入れ期間が定期預金と比べて、とても短い期間になっているというのは、何度も取引をするようにして、銀行が運に左右されないようにしているわけです。それは、「金利」がどちらに有利なように設定されているかを暗示しているかもしれません。

個人的に気になるのは、この「金利」です。「金利」とはなっていますが、実質オプションプレミアムであるといわれても、それを否定するのは難しいです。金利の税率は20.315%(復興特別所得税を含む)ですが、オプションプレミアムの相対取引の税金は総合課税です。たまに税務署はえげつないですから、リスク要因になるかもしれません。(「金利」の税金を銀行が天引きしたのは間違っている、と訴訟する手もある?)

……ひとつオプションと特約付外貨定期預金の違いを忘れていました。オプションプレミアムは、保険料と同じく取引開始時にもらえますが、この「金利」は期日が来るまでもらえません。こんなとこまで残念な感じです。

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